昨日は人間ドックに行ってきた。私にとってのこの時期の恒例行事である。職場の管理者のほうではもううちょっと早めに行って欲しいらしいのだが、なあにそんな事を気にする私ではない。私がこの時期に人間ドックにゆくのは、安心してお正月を迎え、思う存分にお正月に飲み食いをするためだから、管理者の方々のお小言なんかにはかまっていられない。
ところが、ここ数年、その結果が思う存分の飲み食いを少々遠慮せざるを得ない状況が続いており、これではなんのための人間ドックであるのかなどと思いつつ、今年もまた出かけた次第である。
私が毎年お世話になっているのは、大阪は難波にある人間ドックの専門のクリニック。奈良にだって人間ドックができる病院がいくらでもあるのに、私がなぜわざわざ大阪まで出かけていかなければならないのか…
はじめはごくごく簡単な理由であったはずだが、それが今は思い出せない。大した理由もなくそのクリニックを選んだのだが、気に入って、この時期毎年のようにお世話になるようになって、もう20年近くになるだろうか。大阪に出かけることが滅多になくなった今、この人間ドックだけが、大阪に出て街場の刺激を受ける唯一の機会になってしまった。
そんな大阪から帰る途中のことである。
私は始発から電車に乗ったので座ることができた。そのまま数駅過ぎてのことである。
とある駅で、ちょいとくたびれた感じの初老の紳士が乗り込んできて私の前にたった。
私は思わず席を譲ろうとして立ち上がりかけた。
が…やめた。
せんだってから年金をもらい始めている人間がなぜここで席を譲らなければならないのか…いやそれよりもそんな年齢の人間私は明らかにそう見える人間であるから席を譲られた相手の紳士にとって、これは大いなる屈辱となるはずである。
そんな思いが胸中を抜けていった。
いつの間にかそんな年になってしまったのだ。「ここ数年、その結果が思う存分の飲み食いを少々遠慮せざるを得ない状況が続いており」なんて状態は当たり前じゃあないかと改めて実感した次第である。
気をつけなければならない年齢になってしまったということだ。
コメント
> 思う存分の飲み食いを少々遠慮せざるを得ない状況
なあに、思う存分飲み食いしたくてもできない状況がもうじき到来しますからご心配なく。悲しいかな、胃袋が受けつけなくなるんですよ。
薄氷堂さんへ
先日結果が来まして…
「思う存分」とはいかなくとも、どうやら普通に飲み食いはできそうです。
胃袋の方は…去年までよりは状況が良くなってきたようですよ…