萬葉学会一日旅行予習

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先日、第11回「万葉ウォーキングクラブ」(万葉を歩く会)についてお知らせした。圃場に興味深いコースではあったが参加できなかったことはそこにも書いてあるとおり。残念ではあったが仕方がない…と割と簡単に諦めたのはこれがあったからだ。

 令和8年度(二〇二六)の萬葉一日旅行を「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつしのはな巨勢の春野を」(巻一・五四)ゆかりの奈良県御所市古瀬で実施します。

◆日時 令和8年(2026) 5月9日(土)

◆集合 吉野口駅(近鉄吉野線・JR和歌山線) 10:20

◆解散 福神駅(近鉄吉野線) 16:00予定

◆行程 吉野口駅→国史跡巨勢こせ寺塔跡→阿吽あうん寺(犬養孝つらつら椿歌碑)→吉野口駅前公園(昼食・トイレ)→保久良ほくら古墳(伝たける皇子殯塚)→蔵王権現堂→福神駅(約8.5キロ)

万葉学会HPより

という次第である。Googleマップで調べてみるとこの2つの駅の間の距離は3.4km。徒歩にして49分とある。一日旅行とするにはあまりにも短い距離である。けれども上の案内を見るとこの日の移動距離は8.4kmとある。

まあ、そりゃあそうだ。49分ほどで歩き切るようなものであっては1日旅行と名を付するに値しない。

さて、当日歩くコースをかる〜く予習しておこう。

スタートはJR吉野口駅」である。近鉄吉野線とJR和歌山線が交差しているのが吉野口駅。私の住む三輪からはJRで行くべきか、近鉄の桜井駅まで歩きそこから近鉄線で行くか、少々迷いどころだ。そこでAI先生にちょいと聞いてみる。

JR経路例

三輪駅 09:12発(JR万葉まほろば線・王寺行)

高田駅 09:27着 / 09:33発(JR和歌山線・五条行)

吉野口駅 10:03着

所要時間: 約51分

運賃: 510円

乗り換え: 1回(高田駅)

近鉄線経路例

三輪駅 09:12発(JR万葉まほろば線)

桜井駅 09:15着 / 09:35発(近鉄大阪線・大阪上本町行)

大和八木駅 09:39着 / 09:44発(近鉄橿原線・橿原神宮前行)

橿原神宮前駅 09:49着 / 10:11発(近鉄吉野線・吉野行)

吉野口駅 10:30着

所要時間: 約1時間18分

運賃: 710円(JR 150円 + 近鉄 560円)

乗り換え: 3回(桜井駅、大和八木駅、橿原神宮前駅)

乗り換えの手間、電車賃を考えたら間違いなくJRが便利だ。

そしてたどり着くのが吉野口の駅。このあたりは奈良に住んでいてもなかなか足を踏み入れない場所でこの駅を利用したのは記憶に残る限りでは1回のみだ。あんまり覚えはないが、まことに古びた、周囲の風景にまことに調和した駅舎であったように思う。

目的地の福神駅は上の地図によれば南方に位置する。が、最初の目的地は巨勢寺跡は少々北にのぼらなければならない。古代の有力豪族・巨勢氏の氏寺跡だ。現在は礎石を残すのみだが、驚くほど大きい規模の寺院があった様子がうかがわれるという。なんでも、出土した瓦は法隆寺若草伽藍と同系統のものであり、飛鳥時代の寺院研究においても重要な位置を占めるのだそうである。

ついでその跡にひっそりと立つ阿吽寺。かの犬養孝先生の「つらつら椿」の歌碑がある。

巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ思はな 巨勢の春野を

巨勢山のつらつら椿を、つらつらとーつくづく見ながら偲ぼうではないか。巨勢の春の野を。

坂門人足(万葉集 巻1・54)

あまりに有名な一首である。「つらつら」という畳みかけるような響きが心地よい。幾重にも重なる椿の葉と、それを見つめ、幾度も思いを馳せる旅人の姿が思い浮かぶ。持統上皇が紀伊国に行幸した際の一首と万葉集にはあるがこの僥倖は9月のこと、椿とは季節が合わない。詳細は当日の先生のお話を受けてまた報告できればと思う。

そして再び吉野口に戻る。ここで昼食である。

その後向かうのが巨勢山古墳群の一角にある保久良古墳。言葉を持たぬ短命の皇子、たける皇子はここに眠るという。

建皇子は斉明天皇の孫、天智天皇の皇子で、生まれつき言葉が不自由で、その不憫さからか斉明天皇は殊の外この皇子をししていたという。記録にはわずか8歳で世を去ったとある。詳細は後の報告で書くことになると思うが、この皇子の葬儀の際、その早すぎる死を嘆き、祖母である斉明天皇が詠んだ歌はあまりにも悲痛である。

この保久等古墳のすぐ傍らに建つ蔵王権現堂。ここは修験道の開祖・役行者ゆかりの地として、今も地域の信仰を集めている。蔵王権現といえば吉野金峯山寺のものがあまりに有名であるから、すぐにそちらを想像してしまうが、吉野口という駅名からこの辺りはかつて吉野への入口であっただろうと思われるから、その辺の事情からここに蔵王権現が祀られているのだろうと思う。

そして怖い怖いお顔の蔵王権現を拝した後はいよいよ福神の駅である。「ふくがみ」と読むのだそうだ。なんでも近くにある近くにある妙楽寺というお寺に祀られる毘沙門天(福の神)に、その駅名は由来しているのだそうだ。

さあて、予習は済んだ。いささかあっさりしすぎた予習ではあるが、あんまり詳しく調べすぎると当日の楽しみがなくなってしまう。今日はここまでで勘弁しておこうと思う。


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コメント

  1. 玉村の源さん より:

     予習はばっちりですね。
     生徒さんたちにも、予習、復習はきちんとするように、と指導していらっしゃることでしょうから、もう大威張りです。
     当日、距離のナゾも解けることでしょう。
     私はこちらには全く行ったことはありません。全くの未踏の地です。
     ご報告、楽しみにしています。

  2. sanpendo より:

    コメントありがとうございます。
    私もこのあたりはほとんど足を踏み入れることはなく、仮に行ったとしても通過するぐらい。風景はなんとかイメージできるのですが…それもまた曖昧です。

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