昨年に引き続き萬葉一日旅行が中止になりました

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昨年に引き続き、5月8日に予定されていた萬葉学会主催の「萬葉一日旅行」が中止になった。理由は皆さんもお察しのつく通り。説明をするまでもないが、やはり残念といえば残念である。

今年予定されていたコースは

八幡神社~春日神社(訳語田幸玉宮伝承地)~三十八柱神社(小墾田宮伝承地)~竹田神社~春日神社~耳成山公園~大和八木駅解散

集合場所は桜井駅だから、9時に家を出れば余裕だな…なんて思っていたのだが、このお知らせが萬葉学会のホームページに乗ったのが3月30日。まあ、無理だろうなとはその時から思っていた。

5月8日当日に、近畿二府四県のいずれかの地方自治体に「緊急事態宣言」、「蔓延防止等重点措置」、あるいはそれに準じる法的措置が発出されている場合は開催を中止いたします。

と、その案内には但し書きがしてあったし、大阪・兵庫には況に大阪は「蔓延防止等重点措置」が」出されていても、一向に状況の改善は見られないどころか、ますます事態は差し迫ってゆくようにも見られていた。…だいいち、日を追うにつれて大和でも陽性者が増え始め、仮に5月8日が「法的措置」が発出されていないというような状態ではあっても、大勢で連れ立ってあちらこちらをうろうろすることができるようになるとはとても思えなかったから、今回の中止のやむを得ないところであったろうし、こちらとしても、「やっぱりな。」という受け取り以上ではなかった。

むろん残念なことは残念である。しかしながら、中止の判断を下した側の方々はもっと残念だったろうことを思えば、私の残念さなんてたかが知れている。なにせ、この学会にあってかなり以前多分私が小学生だった頃、そしてそれ以前に盛んにおこなわれていたという一日旅行を2012年に、復活させてから間断なくこの行事は続けられ、山の辺の道桜井から奈良までを4年かけて踏破したり、明日香を歩いたり、恭仁京に行ったり私はここだけ行けなかった、平城宮跡を歩いたりしてきたのだが、その連綿たる営みも、去年、突然途切れさせられた。主催者側としては、今年是非とも実施したい行事であっただろうことは想像するに難くはない。

こういった行事というもの、一度中断すると再開するためには結構な労力が必要になること、2012年にたぶん主催された方々は経験されていたのだと思う。そしてその労力は間が空けばあくほど増大することは必定である。

2012年、この行事が再開された時の萬葉学会の代表はS先輩。S先輩は学生の頃、中断以前の一日旅行にはよく参加されていたとその時おっしゃっていた。そして、この行事には毎回のように参加されている同世代のM先生も、やはり学生の頃にはこの行事に参加しておられて…なんでも、その時の話によればS先輩とM先生は、その頃からのお付き合いらしく、山の辺の道を歩きながら、そんな懐かしい時代のお話もお聞かせいただいた。おそらくは、2012年の一日旅行の復活には、その世代の方々の意思が働いていたものと思う。

来年…この萬葉一日旅行それだけではなくこの種の行事がが滞りなく行われること、切に希望する次第である。そしてそれはとりもなおさず、今この世界を覆っている厄災の終息への願いでもある。

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