ずいぶん長いこと書いていなかったなと思って、前に書いたものを見返すと、なんと日付は8月2日。気がつけば、8月もあと2日を残すだけになっている。
あまりの暑さに、ダラダラと毎日を過ごしていたら、いつの間にか一か月が過ぎてしまった。
特に忙しかったわけでもない。ただ、休みもあったのにどこかに出かけたという記憶もなく、本当にただただ過ぎてしまった感じである。
……いや、一か所だけ出かけた場所があった。奈良の国立博物館、いわゆる「奈良博」である。
奈良博までは車で1時間ほど。そこまで遠くはない。だが、奈良博には駐車場がない。近くの氷室神社あたりの駐車場はたいてい満車だし、東大寺の駐車場はとんでもなく高い。
かといって、遠くの駐車場に停めると、炎天下をひたすら歩く羽目になる。
そこで思いついたのが、JR奈良駅近くの市営駐車場に車を停めて、駅からバスに乗るという作戦。これなら暑さも避けられるし、駐車料金も節約できる。バス代はかかるが、そこは「気持ちの問題」である。
そんでもって今回の企画はこれ。
奈良国立博物館開館130年・天理大学創立100周年記念
特別展「世界探検の旅―美と驚異の遺産―」
我が母校の創立100周年記念とあっては、見に行かないわけにはいかない。
仏教美術の優品を誇る「奈良国立博物館」と、30万点を超える考古・民族資料を有する「天理大学附属天理参考館」との初のコラボレーション展です。天理参考館の貴重なコレクションを中心に、奈良国立博物館の仏教美術作品なども併せて展示し、ゾクゾクするほどおもしろい展覧会を開催します!
…というのが、今回の展覧会の趣旨らしい。
天理参考館も奈良博も何度も訪れた施設である。見覚えのある展示も多いだろうなとは予想していたが、概ね予想通り、見慣れた展示品も多かった。これは当然である。
たとえばこれ。
天理参考館に一度でも行ったことのある人なら、きっと忘れられない一品だろう。けれども、参考館では壁に寄せて展示されていたため、後ろから見ることはできなかった。ところが今回の展示では、後ろ側からもじっくり見ることができたのだ。
同じ展示物でも、展示のされ方ひとつで印象はまるで変わる。見慣れたものでも見え方が変われば、魅力もまた新たに感じられる…そう実感した。
そんでもって、今回私が最もお会いしたかったのはこの方。
菩薩立像である。高校だったかの教科書でその御姿を拝見した記憶がある。現代のパキスタン北部、ガンダーラ地方のものだという。その頭髪の形などから弥勒様だと考えられているらしい。
それにしても、このお顔立ちは私達の持つイメージから程遠い…まるでヨーロッパあたりの貴人のようなお顔立ちだ。それが珍しくて、高校の教科書で見たそれを、今でも覚えていたのであろう。
ガンダーラという地域がペルシャにほど近い場所であるということを考えれば、そんでもってインドやパキスタンあたりに住む人々の顔立ちを考えれば、仏像の顔立ちというものは、こちらが本来であって、私達が普段イメージしている仏像の顔立ちは中国や朝鮮半島を経由してくる中で、それぞれの地域の人々の顔立ちに合わせて変化してきたものなのだろうな…なんて思ってしまう。
ともあれ、この企画展、十分に楽しむことができた。これが私のこの夏の唯一の成果である。この特別展示、会期があと3週間ほど残されている。
おすすめである。
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